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経営者保証改革プログラム、その他雑感です

少し前になりますが昨年12月23日に経産省、金融庁、財務省の連名にて「経営者保証改革プログラム~経営者保証に依存しない融資慣行の確立加速~」が公表され、金融関係団体等に対し、個人保証に依存しない融資慣行の確立に向けた取組の促進について要請されました。(下の資料をご参照ください)

これは昨年3月に公表されました「中小企業活性化パッケージ」(昨年4月24日の新着情報をご参照ください)の延長線上にある施策ととらえることが出来るかと思います。
金融円滑化法以降、業績不振に悩む多くの中小企業を活性化し、金融機関に対しては従来あまり利用されていない「経営者保証ガイドライン」の活用を進め、金融機関に各融資先企業の経営財務状況の把握、伴走支援を促進してゆこうという意図と思います。

これに呼応してか、各金融機関においては、融資先企業の各種支援を行う部署や別会社を設立し、これらの施策に対応する動きが見られますが、中小企業にとっては金融機関から選別される時代に、いよいよ突入したと言えると思います。

昨年春にコロナ対策のための支給型補助金制度(申請すれば一定額の補助金が支給されるもの)はほぼ無くなり、以降は、事業再構築補助金やものづくり補助金のように新市場、業種転換、業態転換や革新的な生産、サービス改善の為の設備投資資金の一定額を補助するものが主体となりました。

当たり前のことなのですが、これはあくまで新規事業を開始するための設備投資資金の補助であって、その後の事業運営のために必要なランニングコストの補助金ではありません。
つまり、補助金申請にあたり、自社のとりまく経営環境、自社の強み弱みを分析(SWOT分析など)し、その事業が将来にわたりキャッシュフローを産めるような実現可能性の高い事業計画を策定しなければ、仮に補助金申請が採択され、補助金がはいったところで、設備投資資金の一部やその後のランニングコストは企業の自腹になりますので、最悪の場合、企業の屋台骨が崩れる事態に陥るかもしれません。

これらの補助金を支援するコンサル会社からの営業DMは毎日のように届いているのではと思います。事業計画にたけているコンサル会社は数多くありますが「丸投げしてくれればこちらで事業計画を策定し、申請手続きまでしますよ、うちは採択率が非常に高いですよ」的なところは避けた方が良いと私は思います。
コンサル会社を使うなとは言いませんが、あくまで事業計画の骨子は会社の経営陣で作るべきであり、一緒になって悩み、考えて事業計画を作る(つまりオーダーメイドの事業計画)ようなコンサル会社が報酬は多少高くても良いと思います。(補助金ありきという考え方は危険です)

他方、現在、既に融資についてリスケを行っている企業においても、従来は比較的容易にリスケの更新が出来たものが、より精密な事業計画を要求されたり、更新が難しくなることも予想されます。

本来は、会社の内容を一番身近に接して理解している税理士が、状況に応じて適切なアドバイスをしたり、事業計画を一緒に策定(出来なければ外部委託)したりしなければならないのですが、残念ながら税理士事務所によって、対応について、かなり格差があるのが現状です。

とりとめのない内容で恐縮ですが、コロナ禍を経て(まだ終息しているわけではありませんが)いろいろな環境が大きく変動しており、それについて一喜一憂する必要はないものの情報弱者にならないようご注意いただければと存じます。

今年10月1日から始まるインボイス制度や今年いっぱいで宥恕機関が終了する電子帳簿保存法についても、おなじ視点でとらえるべきと思っておりますが、これについては、またあらためて投稿させていただきたいと思います。

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